週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

春一番。

夜には雪になるだろうと思っていた雨は

夜通し雨のままだったようで

クルマの周りの雪も

隣接する道路の氷も

一気に溶かしていました。

 

やっとこれでアバルトを出せる・・・

そう思って

1か月ほど動かしていなかった

アバルトのキーをひねると、

エンジンがかかりません。

ググ、ググ、ググという重い音で

スターターは回っているのだけれど、

点火してくれない。

ということは

バッテリーの問題ではなく

燃料ポンプなのか油圧の問題なのか・・・。

ということは

最悪ロードサービスを呼ぶしかない・・・。

 

10回ほどセルをひねりましたでしょうか。

それでもかからない。

こりゃダメだ・・・

とロードサービスに電話しようとしたのですが、

その前にもう一度トライして・・・

なんて往生際の悪いことをしてみたら、

なんと、エンジンがかかりました。

 

でもその音は弱々しい乱れた低い音で

すぐにストゥールしそうな勢いです。

あわてて軽くエンジンをあおってやったら

回転数を上げ始め

段々と回転が安定してきました。

 

よかったあ~!!

 

とにかくエンジンもオイルも凍っていたのでしょうか。

長い眠りを覚ましてしまったかのように

不機嫌なアバルトでしたが、

5分ほどアイドリングし

そのあと家の周囲を走ったら

段々調子を取り戻してきました。

 

この手のクルマはちゃんと走らせないと・・・!

そう思って今日は一日アバルトデーにすることに。

向かった先は富士五湖ですが

その前にこういう時のためにお知り合いになっておこうと

甲府の「フィアット/アバルト甲府」に立ち寄ることにしました。

 

最近このフィアットやアバルトは大変人気のようで

お店にはひっきりなしに

お客さんが出たり入ったりしていました。

 

僕はただショールームを覗いてみるか・・・

ぐらいに入ったのですが

若い女性の営業マンが一人ついてくれて

聞いてもいないのに

いろいろ説明してくれました。

 

説明してくれることはというと

もうだいたいわかっていることです。

僕に関わっても無駄なので結構ですから

他のお客さんのアテンドしてくださいな・・・

なんて心で思いながらも

一生懸命説明してくれるので

こちらもなるほど!なんていいながら

一生懸命聞き役に徹しました。

 

どうやら年齢にして20代後半といった感じでしょうか。

接客がちょっとぎこちなく

でも沈黙の時間を作らないように

接点を見つけようとして頑張っている姿に

自然と好感を覚えるようになってきました。

 

「お住まいはどちらですか?」

「クルマは他にお持ちですか?」

「どんなお仕事をされているのですか?」

・・・などなど、

なんとなく持ち上げられている感じがあるのですが

いわゆるベテランの外車のセールスマンとは

一線を画すような初々しさがあります。

最後にお客様にはこのようなクルマがお似合いですよ、

ぐらいの意味を込めて

アルファロメオ・ジュリアの展示ブースに

連れていかれたのですが

価格を聞くと700万ぐらいでしょうか・・・。

 

どうしたらそんなクルマを買えるかよ!

と思ったものの、

買えるように見られたことに

多少の気恥ずかしさを覚えながら

もっと仕事がんばって買いに来ます、なんて

思ってもないことを言って、

帰ろうとアバルトに乗り込もうとした時、

「この赤のアバルト、いいですね・・・」

と彼女がつぶやきました。

「あ、これね。フィアットって赤って似合いますよね。

僕もかみさんもこの色狙って買ったんですよ」

そう僕が答えたら

「実は私、昨日フィアットのチンク

買っちゃったんです💦

それも赤なんです!」と、

目が輝くのがわかりました。

「ええ!そうなの?そりゃおめでとう!」

すると、

「このダッシュボードとボディーの色が同じ赤って

おしゃれじゃないですか?

納車が1週間後なのでもう待ち遠しくて・・・」と、

マスクの奥のほっぺたが崩れているのが見て取れるほど

楽しそうにおしゃべりしてくれました。

 

なあんだ、それを早く言ってよ。

しょせんフィアットなんてクルマは

イタリアの庶民のクルマですよ。

安い大衆車ですよ。

うやうやしくお金持ちのように接せられても困るだけ。

同じフィアット大好き仲間として

気軽に接してくれた方が

僕らもうれしいよ。

なあんて想いを全部込めて

「楽しみが出来たね。仕事頑張ってね!」

と声をかけたら、

ようやく20代の女性らしき

はつらつとした元気さが蘇ってきました。

 

快調を取り戻したアバルトに乗って

心快調にアクセルワークを楽しみながら

1時間ちょいで精進湖に到着です。

快晴の精進湖、富士山は見事。

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そんでもって河口湖の景色もバツグン。

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帰り道は冷たい風が強く吹き

ロードサイドの飲食店ののぼりが

あちこちで倒されていました。

道行く女性の髪を吹き上げていました。

僕はアバルトのエンジンの吹け上がりを楽しみながら

春一番が吹いたと思いました。