ところどころ雪が残る
雑木林の庭。
冬は「殖ゆ」といって
その語源は”増えていくこと”にあります。
何が増えるかというと
生きるエネルギーが
どんどんチャージされていくのです。
庭の雑木の芽をよく見ると
はちきれんばかりに膨らんでいるのがわかります。
これはロウバイの木です。
たぶん3月になると
ポツポツと白い花を咲かせるでしょう。
まだ茶色いセピア色の景色の中に
白いカラーで咲かせるこの花が
僕は大好きで
デッキに伸びて邪魔なのですが
なかなか切る勇気がありません。
そうしてこのロウバイの足元、
デッキの南斜面の一番日の当たる場所に
野生の福寿草が咲くのです。
今年は寒いからまだかなあ・・・
なんて思いながら
枯れ葉を手で掃いていったら
ありました!
黄色に輝く福寿草のつぼみが!
春は「張る」といって
その語源は新芽が膨らむ、
氷が解けて水が張るに由来します。
養老孟子さんが講演会で言っていました。
今の人は幸せのほとんどを人間関係で感じている。
人間関係が大事なのはその通りだが
人間関係はフラジャイルなもの。
それに頼り切っていると
人間関係がダメになった時に行き場を失う。
それが現代特有の数々の猟奇的な事件を生んでいる。
逃げ場がない。
僕はその逃げ場として
今こそ自然との関係を大切にすべきだ・・・。
と、そんな事だったと思う。
冬を「殖ゆ」の季節とし、
春を「張る」の季節と呼んだ
かつての我々日本人の先祖は
きっとどこかで人間関係のもたらす不幸を
身の回りで繰り広げられる自然のドラマで
穴埋めしていたのかもしれない。
この極寒の時期の八ヶ岳は
一番心を満たしてくれますね。