週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

Fさんがケガをした。

午後雨が止んだすきを狙って

散歩に出かけました。

夏草の蒸す匂いが鼻を突いてきます。

 

家を出て少し行くと

犬を連れたFさんに出会いました。

僕の八ヶ岳の師匠みたいな人です。

 

「よう!久しぶりじゃないか」

そう手を挙げるFさんでしたが

何となく疲れている感じが漂っている。

「どうしたんですか?」

と聞いたら、

「やっちまったよ~」

と言って見せてくれた左手の人差し指には

ガッシリと包帯が巻かれていました。

「どうしたんですか??!」

とまたまた聞いたら、

丸ノコ作業中にうっかり指が刃に触れて

爪の根元から先を切断してしまったらしい。

 

ゲエエ~~~!!!

びっくりして状態を聞いたら、

「いや~、痛かったのなんのって・・・

ようやく痛みは取れてきたけど

まだ傷口がふさがっていないので

破傷風にならないように

手が水やお湯につけられないんだ」

そう言って今までよりも1センチほど

短くなってしまった指をかばいながら

「あなた、まだ若いんだから気を付けな」

というので、

Fさんこそ、これから僕はいろいろ教わりたいんで

早く治してくださいよ!

と声をかけたら、

そうだなあ、と言いながら

力なく笑って犬と行ってしまいました。

 

Fさんにもミスはあるんだ・・・

チェンソーの使い方や

薪小屋の作り方を指導してくれたFさんが

まさか指を大ケガするとは思ってもみず

しばらく軽いショックで

その場を動けませんでした。

 

湿気を帯びた草の匂いが生臭く感じたので

歩き出そうとしたら、

視線を落としたその先に

カブトムシがよちよちと道を横断していました。

道行く人に踏まれないようにと

角をつまんで我が雑木林のドングリの木に這わせたら

どんどん上に登って

見えなくなっていきました。

 

また雨がポツポツと降り始めたので

散歩はやめにして家に入り

仕事に集中しました。