週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

赤いちゃんちゃんこではなく昔の背広に腕を通す還暦の幸せ。

僕の同じ年の友人には

60歳を機に雇用延長などに応じず

スッパリと会社を辞めて残りの人生を精一杯謳歌してやるぞ!

という友人が多く、

そういう友人たちにずっとフリーでやってきた僕はというと

そこそこ憧れっぽく映るらしいのですが、

僕にとっては会社員を全うした彼らの方が男らしく感じて

尊敬してしまう存在なのです。

 

ところがっどっこい。

自由人を謳歌していると思われた僕はというと

実は今日からサラリーマンに舞い戻ってしまいました💦

 

とある広告関係の会社に

60歳を機に正社員として雇われる身になってしまったとです。

 

この会社、というかわが社ですが、

僕は3年ほど前から週1日だけ

アドバイザーとしてお手伝いしていたのですが、

去年から週3日に増やしてほしいといわれ

健康保険に加入できるならいいですよ、

なんて冗談半分に言ったらそうしてくれて

じゃあもうちょっとコミットしてやらんとと頑張ってみたら

その頑張りが評価され

週3日でなく週4日に出来ませんか?と言われ

そうやっておだてられた僕はいいですよ!なんて言ってしまい、

そうしたら思わず数人の部下のマネジメントもついてきて、

これは話が違うぞ!

週3日に戻してもらおうかな・・・

なんて思っていたら先を越され、

どうせならフルタイムで手伝ってほしい。

と、気が付いたら周りも固められていて、

4月1日からめでたく正社員となってしまったというわけなのです。

 

還暦の新入社員です。

猫を2匹飼ってます。

子供が二人います。

長女のお腹には二人目の赤ちゃんが宿っています。

つまり僕はまもなく二人の孫がいる爺さんなのです。

そんな爺さんを迎えてくれるこの会社に感謝しています。

でも老体なのでお手柔らかにお願いします。。。

 

金曜日の歓迎会でそんな挨拶をしたら

僕の娘ぐらいの年代の女性陣が笑いながらも

お父さんを見るまなざしで接してくれたのが妙にうれしかったです。

 

ピカピカの正社員になった60歳の僕ですが

定年は5年後、つまり65歳のときです。

あと5年。

その5年をどう考えるか。

20年前の僕だったら

「なあんだ、あっという間じゃないか!」

と思うのでしょうけれど、

今の僕は全く逆で

「あと5年もあるの?続けられないかも・・・」

という感覚です。

そう思うと急に重荷になってしまいます。

 

で、いろいろ悩んだ結果

こう思うことにしようと決めました。

 

毎年年末に1年を振り返ると同時に翌年の1年を想像し、

もうつらい・・・と思ったら辞めよう。

そんでもってもうちょっと頑張れるかな・・・

と思ったら翌年の年末まで1年間だけ頑張ってみよう。

そうやって年の終わりに1年を単位に続けるかどうかを決めて

結果それが5年続けば定年まで全うしたことになるし

続かなかったら続かなかったで自分の価値観を全うしたことになる。

そう思ったらどんな結果が訪れようと

自分を置いてけぼりにしない人生になるではないか。

 

週末の土曜日に

60歳でキッパリと会社を辞める友人にそのことを話したら

驚きながらもおめでとうございます、とお祝いされました。

サラリーマンに戻ることにちょっと負い目もあったのですが

人生の後半ラスト部分に

組織の一員として若い人たちの刺激を受けるのは

確かにおめでたいことだなと、

赤いちゃんちゃんこを着せられるよりも

昔着た背広に腕を通すことの方が光栄なことに思えました。

 

 

会社を出て家に戻る途中の桜並木は

いつになくきれいでした。