週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

カオスな吉田のうどん

今日の午前中は

富士川町の方に行って

ジモティーで知り合った人から

焚きつけ用の薪を格安でいただきました。

とてもいい方で、

多めに譲ってくれました。

山を持っているらしく

伐採した木の処分に困っているというので、

薪として使いますので安くいただきたい、

といったら、

いつでもいいので声をかけてください!

ということで、お近づきになれました。

 

うれしいなあ~、こういう出会いって・・・。

 

その帰り、韮崎あたりでお腹がすいてきたなあ、

と思ったらお昼の時間。

何を食いたいか、腹に聞いたら、

めずらしく、うどん、とか言っているので、

「韮崎 うどん ランチ」で検索したら

最初に出てきたのが

「吉田のうどん さくら」でした。

retty.me

 

調べてみたら、

山梨(特に富士吉田市の方)はうどんで有名なんですね。

知りませんでした。

山梨と言えばほうとう、

という方程式が頭にあったのですが、

なになに。。。

 

コシが非常に強くて

肉や茹でたキャベツが載っており、

”すりだね”というトウガラシやゴマや山椒を混ぜて

炒めた薬味を入れて食べるのが特徴のこと。

どうやら、この辺の昔の基幹産業は

機織や養蚕で、

働き手はというと女性が中心になっていたらしく、

炊事担当の男性が

お昼に作ったのが始まりだったのこと。

だからコシが強いらしいです。

 

そんなうんちくにもそそられて、

韮崎市役所の隣にある

「吉田のうどん さくら」に入ったら、

とても人気店のようで

かなり混んでました。

f:id:kogysma:20180915210436j:plain

 

入ってすぐのカンターやテーブルは満席で

案内されたのは左の奥にある

座敷の広間。

座って一息ついたら、

びっくり!

隣に高中正義がギター持って

笑っているではないですか!

f:id:kogysma:20180915202054j:plain

 

学生時代憧れた高中さん。

こんなに間近でちゃんと見たのは

初めてかもしれません。

 

そして周りを見渡したら、

ホワイトスネークとかレインボーとか

まだたくさん憧れのアーティストがいました。

f:id:kogysma:20180915202437j:plain

 

それだけじゃありません。

歌舞伎役者もいました。

f:id:kogysma:20180915202625j:plain

 

世界を越えて、時空を超えて

憧れのスターに見とれていたら、

ご注文は?

と聞かれ、

思わず壁にあったメニューの最初の

「肉うどん」を注文しました。

f:id:kogysma:20180915202838j:plain

 

混んでいるのにも関わらず、

5分ぐらいで料理が来ました。

これが「肉うどん」です。

f:id:kogysma:20180915203031j:plain

 

見るからにボリューミー!

載っているのは

馬肉、ゴボウ、茹でたキャベツ、油揚げ、刻みネギ。

テーブルには天かすが置いてあり

入れ放題です。

これで550円とは・・・!

 

一口口に入れると、

むむむ?

確かにうどんはコシがあって食べ応えあり、

馬肉はキャベツなどもうまい。

しかしスープが僕の知っている味とはちょっと違う。

 

いわゆる関西系のあっさりダシ系とも

濃い目の関東醤油系とも違って、

ダシは効いているのですが

いろんな味が混ざった

これまでに経験したことのない味です。

かといって全然まずくない。

いろいろ実験したくなって

テーブルの上の”すりだね”を入れたら

ピリ辛の全く違う味に変身。

さらに山椒もあったので、

それをドバドバ入れたら、

さらにまた深く濃い味に大変身していきました。

 

どんどん自分の合った味にチューニングされていった肉うどんは、

気が付けばズープまで全部僕のお腹に収まっていました。

 

このカオスな味はクセになります。

多分世の中のマーケッターとか料理プロデューサーが

現代人の嗜好を考えてできるような代物ではありません。

当時の時代背景が生んだ、

貴重な郷土料理です。

この味のお宝は、是非未来へと継承して欲しいです。

 

カオスといえば、

この店内のポスターや絵の節操のなさもカオスです。

でも高中もホワイトスネークもレインボウも

僕が夢中になったアーティストたち。

きっとここの大将は僕と同世代かもしれないです。

 

ほっこりした気分になってお会計をしてたら

流れてきた音楽が10ccの「I'm not in Love」。

もてなかった学生時代に

僕が一番慰められた曲です。

胸が熱くなるのを抑えて

店を出ようとしたら、

追い打ちをかけるようにこんなポスターが・・・。

f:id:kogysma:20180915210216j:plain

 

550円でここまでの感動をくれたうどん屋さん、

これはまた来るしかありません。