息子のカナダ帰りをお祝いしようと、
昨日の夜は義理の妹夫婦と娘とボーイフレンド、
それに本人と僕ら夫婦の7人で、
新宿・歌舞伎町のスペイン料理、
『カサ・ベリヤ』にての食事会でした。
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「古いお店で
あやしい雑居ビルのなかにあるけど、
チョーおいしいから」
と言って妻が予約。
さほど期待はせずに
僕は仕事先の八王子から
お店に向かいました。
ここらへんかな・・・
と思って見上げると、
ありました。
看板が。
創業が1972年、ということは昭和47年。
僕が小学生の時です。
昭和ど真ん中。
このロゴの書体や色遣い、
レトロ感一杯でいいですね~!
ド田舎に住んでいて
ぼんやりと憧れていた東京の風景が
いま目の前にあると思うと、
過去に戻ったのか
未来を見ているのかわからないような
不思議な気分になりました。
この雑居ビルの階段を上がった
2階にお店はあります。
確かにちょっとあやしい雰囲気ではありますが、
ありました。
スペインへの入り口が。
ガチャンと言ってドアが開くと
そこはまさにスペインにタイムスリップしたかのような
雰囲気です。
あ、このフライパン時計、すごくいい!
八ケ岳に似合いそう・・・
このアイデア、いただき!
僕はちょうど今から10年前に
仕事でスペインのサラゴサに行ったのですが、
そこで巡ったレストランやバルより
もっとスペインしています。
わざとそう装飾した、というよりも
半世紀近い歴史が堆積して
そうなった、という感じに
好感がもてます。
(ちなみに新宿にはそういう昭和が香る
レストランや喫茶店や居酒屋があって
どこよりも僕らの年代に刺さる場所に
生まれ変わりつつあるような気がします)
さて、料理はコースですが
その前にビールで乾杯。
「クルス・カンポ」というスペインのビールは
飲みやすい中にも苦みやコクがあって
独特のうまさ。
そうしてコース料理が次々と運ばれてきたのですが、
しゃべらなかった息子が
ペラペ~ラ自己主張し、
留学経験のある娘と
ずっとアメリカで育ったボーイフレンドを
圧倒する勢いを見ていたら
ついつい写真撮るの忘れてしまいました💦
ちなみに、
・イベリコ豚の生ハム
・マッシュルームのアヒージョ
・2種類のムール貝
・2種類のブルスケッタ
・牛肉の煮込み
・サラダ
などが来ましたが、
なんといっても圧巻は
イカスミとサフラン、
2種類のパエリアでした。
(これだけは写真撮るの忘れなかった!)
アルデンテがどうのこうのとか
具がジューシーかどうかとか
そういう評論をさせないぐらい
なんだかガツンとハードな感じ。
米の焦げ具合いが絶妙で、
すべての具材のうまみを吸い取って
パエリアという一塊の料理になったような、
そんな感じで、
これはたぶん自分の家では出せない味です。
日本酒造りでは
良く蔵に住み着く麹菌が
その蔵独特の酒を生み出す、
なんていいますが、
それに近い感覚です。
この店に積層した時間と空気が
この味を醸し出しています。
こりゃ、うまい!!
結構な量がありましたが
あっという間にたいらげました。
気がつくとお店は満杯です。
5時半に入店した時
静まり返っていた店内でしたが、
2時間も立つと
ムレータをかざされた闘牛のように
お店は活気づいていきました。
こういう歴史のある老舗のお店を巡る、
そんな東京の楽しみ方もいいかも。
若かりし頃の時代に想いをはせ、
若い世代の熱い会話に身をゆだねていたら
ワインもどんどん進み、
いつもより1度ぐらい体温が上がった
熱い夜になりました。