雨の土曜日の八ヶ岳。
庭仕事ができない妻はやることを失い、
昼飯に命を懸ける。
アバルトでドライブがてら
隣の件の隣の町、
長野県諏訪市にある信州一味噌発祥の蔵、
「丸高蔵」に行って来ました。
大規模なチェーン店が並ぶ国道から街中に入ると
城下町ならではのカギ型の狭い道がうねうねとくねり、
いきなり100年前にタイムスリップ。
しばし走ると目の前に現れたのが
丸高蔵です。
この建物は味噌蔵です。
このほかに2つの蔵があるのですが
大正時代に移築されたこれら3つ合わせて
国登録有形文化財に登録されています。
しっとりと雨に濡れた蔵から
ほんのりと味噌の匂いが漂い
五感で100年前を感じます。
蔵に入るとそこはショップとダイニングで
高い天井とあいまって
とても広々と心地よい空間です。
11時半にお店に入ったのですが
先客のご夫婦が早速舌鼓を打っていました。
ランチメニューを見ると2つしかありません。
ですので、
僕は「豚汁御前(肉味噌丼)」を、
妻は「本日の味噌汁午前(焼きおにぎり)」を注文しました。
間もなくやってきた「豚汁御膳」です。
肉味噌丼はご飯の上に錦糸卵と肉味噌、真ん中には梅が乗っていて
レンゲですくって食べるのですが、
固めに炊いたお米の味を引き立ててくれて
噛むほどにじわ~っとうまさが口いっぱい広がります。
うまい・・・!!
心の中で思わず叫んでしまいました。
そうしてこれが豚汁です。
豆腐、にんじん、ネギがたっぷり入った豚汁は
ほんの少し塩気が強い気がしましたが、
肌寒い雨の日にはちょうどいい。
体の芯から温まっていく感じがわかります。
このほかに小鉢が3品ほどありましたが
どれもこの丸高蔵の味噌やしょうゆが活きていて、
これまで味わったことのない味でした。
昔は物足りないと思ったことでしょうが
この日本の味が身に染みておいしいと感じる
今日この頃です。
本当に満足しました。
食べ終わって一息ついて
隣のショップを一回り。
博物館と言っておかしくないぐらい美しい展示空間に
楚々と並ぶ味噌やしょうゆの数々。
その美しさに惹かれて
味噌としょうゆを買いました。
先だっても諏訪の酒蔵を巡りましたが
どの蔵にも心を洗わせてくれる静謐な時間が流れていました。
あまり縁のなかった隣の県の隣街ですが、
山梨とはまた違う風情がとても素敵な街でした。