週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

地元の人しか入ってはいけない禁断の焼き肉屋???@「うまい焼肉!あおぞら」(群馬・吾妻)

先週後半から実家に帰り

硬膜下出血から退院した父と

嫉妬妄想の激しい母の世話をして、

両手両足を鎖で縛られたような土の中から

ようやく抜け出すことが出来た解放感を大切にしようと

福島の実家から那須に入りホテルに1泊。

そして今日、

那須から八ヶ岳の山小屋に入りました。

那須を出たのは朝の9時。

日光や中禅寺湖、沼田を通る

日本ロマンチック街道をひたすら走り、

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(2つの写真はその街道沿いからみた風景です)

浅間山、軽井沢、佐久を通って南下し、

山小屋に着いたのは夕方の6時半でした。

 

ホテルを出た時はシトシトと雨。

日光に入るあたりから雨は止み、

雲の隙間から太陽の光が

思いついたように差し込むようになった頃、

それと反比例するように気温はどんどん下がり、

中禅寺湖から沼田に抜ける山道では

3度と表示されていました。

 

紅葉はすっかり終わっていて

日曜日というのに空いている道路を

レガシーと二人っきりで

黙々と時間を走らせました。

 

吾妻町に入ったあたりからでしょうか。

やたら「うまい焼肉!あおぞら」という看板が目につきます。

ウィンドウから空を見上げると

少しずつ青空が広がってきています。

 

ああ、これも時間が作ってくれた縁だなあ・・・

なんて思って、

それほどお腹は空いていませんでしたが

思い切って入ってみることにしました。

 

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地元に愛されて45年。

広いお店に入ると

まさに地元の人らしきお客さんばかりで

午後2時だというのに満席です。

5分ほど待たされました。

 

その間なにげなく目に入る

同じユニフォームを着たウェイトレスさんは

10人ぐらいいるでしょうか。

そのほとんど多くが地元の女子高生らしき

若い女の子でした。

 

おすすめの定食を注文して待っていると

隣のテーブルでは若い男女二人が

楽しそうに話をしています。

 

高校の時の先生の話、

部活の話、

親戚の話・・・などなど

聴こえてくる話と年齢から察するに

二人は卒業して間もない高校の同級生で

地元で働いている、

あるいは大学生で

週末に地元に戻ってきた仲のいいお友達、

といった感じです。

 

すると話の途中途中に

女の子の方の口から

「進んでないよ」

「自分から行きな」

「なんでなんで???」

「大丈夫!」

「要するにどういうこと?」

「えっ、ギブなの?」

「具体的に言ってよ・・・」

なんて言葉が聞こえてきました。

 

男の子はというと

もじもじと照れ隠しして多くを語ろうとせず

全然違う話題に切り替えようとしたりします。

そんな男の子の姿に

女の子は優しくも

いてもたってもいられない様子。

 

その様子からなんとなく分かったのは

男の子には高校時代に好きな女の子がいたこと。

いま目の前にいる女の子はその友達だということ。

男の子が高校時代に好きだった女の子が

今でも好きなのかどうかわからないこと。

そして何より

目の前にいる女の子は

目の前にいるもじもじ君をに好意をいだいているということ。

そしてそのもじもじ君は

目の前にいる女の子の気持ちに気付いていないこと、です。

 

ポケットに本音を突っ込んだままクッパをすする男の子。

伝えたいことを焼いたお肉と一緒に飲み込んでしまう女の子。

ぞれぞれの気持ちは荒く編んだ布に包まれて

小さい子供が折ったようないびつな紙飛行機に乗って

思ったところに飛ばなかったり

途中で落ちたり。

もしもどちらかが黙って沈黙を作ってしまったら

これまでのすべてが終わってしまうのを恐れるかのように、

ずっと笑顔でしゃべり合う二人は

必死で何かを守っているかのよう。

本当は未来に一歩踏み出したいのだけれど

その一歩が怖くて踏み出せない心を、

それでもやっぱり踏み出させてくれるのは、

好きという、布に包まれた気持ちであることを知りながら、

勇気という名の下で動けないで

間にあるコンロに火にただただ顔をほてらせているだけ。

 

そこに

「お水いかがですか」

といって地元の高校生らしきアルバイトのウェイトレスさんが

水を差しに来る。

 

僕はどうやら

群馬県の山の中の

地元の人しか入っていけないような場所に

足を踏み入れてしまったようで、

なんだか落ち着かなくなって

会計を済ませて外に出ました。

 

外は木枯らしのような冷たい風が吹いていて

トレーナー一枚の体を吹き抜けましたが、

今腹に収まったばかりの上州牛の

とろけるような柔らかくてジューシーな味を思い浮かべると、

寒さは全然感じられませんでした。

 

あ、食レポのつもりで書いていたら脱線してしまいました💦

 

これが僕の食べたおすすめ定食(¥1,680-)です。

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外泊したら家賃が下がる「unito(ユニット)」