週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

木原千春さんの個展「Vitalism Ⅸ」に行ってきた

大好きな画家

木原千春さんの個展「Vitalism Ⅸ」に行って来ました。

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場所は湯島駅から徒歩2分の

ロイドワークスギャラリーという小さなスペースです。

roidworksgallery.jimdo.com

 

偶然彼女の作品を知って

しかも彼女が妻の友人の友人という縁もあり

2年ほど前に

猫をモチーフにした2つの作品を買いました。

 

それから3回ほど個展に行きましたが

行くたびに作品の進化を感じ

決して飽きることはありません。

 

カラス、蜘蛛、ふくろう、蟻、うさぎ・・・

何気ない日常の周りにいる生き物や

著名人の自画像などが

テーマとなることが多いのですが、

なかでも多いのは猫です。

2年ほど間に買ったのは2枚とも猫で

とらとこたの成長を願って買いました。

 

その時の彼女の画風がこんな感じ。

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そうして2年以上経った今はというと

こんな風に進化していました。

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以前の作品は

エネルギーのほとばしるままに

筆や指、腕を使って一心不乱に描き切ったという

荒々しさやワイルド感が

キャンバスから溢れていましたが、

絵を描くことへの荒ぶる欲求を上手にマネジメントし

ほんの少し距離を置いたところから見渡しながら

そのマグマを優しく閉じ込め

それでもいつ爆発してもいいように鍵をかけない

絶妙な手なずけかたで

絵画としての完成度をより上げていったという印象でした。

 

色使い、筆遣い、腕使い(?)の他に

よく見ると猫の目がハッキリしてきたのがわかります。

ポップにならないギリギリのところのシャープさが

よりリアルで激しいバイタリズムを感じさせます。

 

運よく彼女がいて

10分ほど話すことが出来たのですが、

そんな進化の感想を伝えたら

新たなテーマを加えながらも

色使いやタッチなどの表現の可能性を模索しているとのこと。

その模索の過程にこうして立ち会うことが出来るのは

ファンとしてはとても光栄で

これから5年、10年後には

どんな化学反応が彼女の中に起きて

どんな作品を生み出してくれるのか

予定調和とは縁のない未来に

僕はまだまだ調和していこう!と思いました。

 

実は来年の僕の還暦を記念して

もう一枚欲しいね・・・

などと妻と話していました。

それでオーダーメイドで描いてもらえるのか

聞いてみたら、

時間が許す範囲で全然受けていただけるとのこと。

オーダーする時の条件などを聞いて

また追って連絡する旨を伝えて

ギャラリーを後にしました。

 

ギャラリーを出ても

あのキャンバスからほとばしる

鮮烈なバイタリズムが

瞼の裏側から離れません。

 

もらった作品集の中で彼女が

同郷の山口の画家・香月康男さんの言った

『一瞬一生』という言葉を紹介していました。

どういう意味かというと

「一瞬に一生をかけることもある。

けれど一生が一瞬に思えるときがある」

という意味だそうです。

 

僕は「一生が一瞬に思えるとき」というのは

まだよくわからないけれど、

そういうことがあるということは

感覚的に非常によくわかるし

信じている。

いや、ひょっとするとそういうときに気付かずに

ぼうっと過ごしてきただけなのかもしれない。

 

僕は彼女の画の中に

一生が一瞬となるエネルギーを切り取った

5次元の磁力を感じるのです。

冷たい空気の中で

なんだか直感が冴えわたった気分になりました。

 

彼女の個展は

年明け1/5~16日まで

同じロイドワークスギャラリーで

part2が開催されます。

よろしかったらご覧になってくださいませ。

作品はほとんど売れちゃったみたいですけれど・・・💦