週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

お隣さんとのいい距離感

夕方家のチャイムが鳴りました。

八ケ岳の山小屋に人が訪ねてくるのは

まずないことです。

ドキッとして、

パンツ一丁で風呂を洗っていた僕は

急いで半ズボンをはいて玄関の扉を開けました。

 

するとお隣さんのKさんが

「夜分にすみません・・・」と、

申し訳なさそうに立っていました。

 

お隣さんと言えども

訪ねてこられるのは初めての事。

どうしました?と聞いたら、

自分の家の庭にある大きなドングリの木を

この前僕がカラマツを切ってもらった

特殊伐採屋さんにお願いして

切ってもらうことにした。

ひいては切った木の中でも

薪に使えそうな部分を差し上げたいので

どこに置いたらよいかということでした。

 

今どき薪は大変貴重です。

「物置の前とか

適当な所に置いておいてもらえますか。

ありがとうございます!」

とお礼を言ったのですが、

それよりも家同士の境目にあるカラマツを

先日伐採したことが嬉しかったらしく、

お礼を申し上げるのはこちらです、と、

とても恐縮して戻っていきました。

 

www.kogysma.com

 

お隣さんは病気のお母さんを看護されていて

二人暮らしです。

静かな方で、

ワイワイ賑やかな他のご近所さんとはちょっと違って

人付き合いもそれほどありません。

本当はカラマツを切って欲しいとずっと思っていたのですが

人んちのことなので我慢していたのだと思います。

 

僕はお隣さんが好きです。

都心から自然のある所に暮らしたい・・・

そう思ってやってきたのですが

やたらパワフルに活動する人たちの

エネルギーに飲み込まれがちですけど。

 

僕は時々お隣さんに声をかけます。

普通に声が返ってきます。

それ以上野暮な会話はしません。

そうやってお互い静かさを破らないように

距離を保っています。

 

そのいつもの距離を少しだけ破って

今日は思い切って訪ねてくれたことを思うと

嬉しくなりました。

八ヶ岳に来るたびに薪割りしている僕の姿を

見ていてくれたのかもしれません。

結構勇気を振り絞って来てくれたのかもしれません。

 

大丈夫。

僕はこれまでの距離感を破ったりしませんから。

お互い静かにちょうどいい距離でいながら

ときどきちらっと心配したりしながら、

お隣さん同士これまでのようにやっていきましょうね。

 

八ケ岳にありそうであまりない距離感。

僕はKさん親子がお隣さんで

本当に良かったと思いました。

 

でもお隣さんが帰ったあとで

半ズボンのチャックが開いていたのに気がついて

思いっきり恥ずかしくなりました💦