週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

春を告げる匂い。

3泊という久しぶりに長めの滞在となった山小屋。

東京に戻る前に

この寒さを留めておこうと

朝起きて雑木林を散策していたら

ところどころ木々のつぼみが膨らんでいました。

 

一か月前に大きく剪定をほどこした

ウッドテラスの前のロウバイは

若い枝にびっしりとつぼみがついていて

ところどころ雪が付いたかのように

白い花びらの一部が見え隠れしていました。

 

庭の隅に高くそびえるサンシュユの枝には

これまた白っぽい部分をのぞかせながら

青空に向かって今にも花を咲かせそうです。

 

そして西側の隣家との間に葉を茂らせる椿は

もうつぼみが開きかけていました。

 

 

1月のこの時期は一番冬の真ん中を感じる時期だと思います。

クリスマスが終わって新年を祝い、

ああ、あとは3月に桜が咲くまで

冬枯れの凍ったような茶褐色の景色を耐え忍ぶとき。

そう思いきや

命の活動は音もなくせっせと着実に行われているのです。

 

年末年始のj行事が終わって氷の世界に閉ざされるこの時期に

春の気配を感じるこの瞬間が大好きです。

 

暖かい東京より寒い八ヶ岳で春を感じるというのは

ちょっとおかしな話ですが。

 

山小屋を出て東京に向かう道中、

韮崎当たりまでずっと深い霧に覆われたような視界でした。

どうやらあちこちで野焼きが行われていたのです。

生態系の循環を促進する人間の知恵。

春を呼ぶ声なき声。

エアコンの吹き出し口から社内に入ってくる煙の臭いは

何とも言えず懐かしく香ばしい薫香で

それに集中しようとかけていた音楽を止めて

夢中になって深呼吸しました。